本校郷土芸能部が、第46回全国高等学校総合文化祭(とうきょう総文2022)の郷土芸能部門で8年ぶり3度目の「日本一」(最優秀賞・文部科学大臣賞)に輝いた。昨年夏、和歌山大会で悔しい思いをした現2・3年生が1年生部員を引っ張り、見事に日本一というとてつもない目標を達成した。有言実行という言葉通りの結果となり、心からおめでとうと言いたい。今月27日(土)、国立劇場での優秀校東京公演が今から楽しみだ。

 先月より新型コロナウイルスが再び猛威を振るい、家族の方が感染して自宅待機を余儀なくされた部員がでたりして、大会直前まで、全員揃って東京に行けるのか心配は尽きなかった。追い込み時期の練習でも、各パートがなかなか揃わない日が続き、部員たちのなかにも焦りや不安があったと思う。出発の日の朝、部員全員が揃ったことが何よりも嬉しかった。

 私は本番の舞台を客席から祈るような気持ちで見ていたが、今回披露した4曲いずれも、部員らは練習の成果を全て出し切ってくれたように感じた。舞台を終えたあと、とてもいい表情で会場の外に出てきた姿が印象的だった。賞のことは抜きにして、高校生が地域の伝統芸能を継承しその普及にひたむきに取り組んでいる姿は、多くの人々の心に訴えるものがあるのだということにあらためて気づかされた。

 どんな世界でも同じだと思うが、特に芸能の分野においては「これで完成」というものは無いのではないか。3年生にはありがとう、お疲れさまと言いたいが、1・2年生はまた新たな挑戦が始まる。連綿と受け継がれてきた本校郷土芸能部の伝統と栄光を、これからも更に発展させていく使命を背負うこととなる。地域の指導者や先生方、家族の方々への感謝の気持ちを忘れず、誇りと自信をもってまた前に進んでいってもらいたい。