新年明けましておめでとうございます。私の年末は慌ただしく過ぎ、気がつけば2022年(この日記もおかげさまで第22号)に。わが家では、昔から年末の恒例行事として、もち米を蒸し臼(うす)と杵(きね)で「餅つき」を行っている。ちょうど30年前父親が病気で他界した後も、遺言という訳ではないが、「年末は家族で餅つき」がわが家のルーティーンとなっている。杵はそうでもないが、臼のほうはかなりの年代物で、多分50年近く活躍し続けていると思われる(もうボロボロで限界寸前)。

 家での餅つきは、早朝の準備から後片付けまで丸半日を要し、その日の午後からは疲れて何もする気が起こらない。家のすす払いや大掃除は早くても翌日。結局、大晦日の朝から一日がかりでというパターンがここ数年続いている。せめてもう一日早く仕事納めとなれば、少しはゆとりをもって家のこともできるのに(これも働き方改革ではなかろうか)。

 ところで、今年の干支(えと)は「寅(とら)」だが、「虎」とは書かず、「寅」と書くのは一体どうしたことか、皆さんはご存じだろうか。そもそも「寅」という漢字(音:イン、訓:つつしむ・とら)の本来の意味を知っている人はいるのだろうか。実は私も知らなかったのだが、元旦に配達された新聞を読んでいたらその疑問が解けた。

 「寅」という漢字は、矢を両手で真っすぐに正しているという形からきているそうで、古代中国では矢は神聖なもの(日本の神社でも「破魔矢」というものがある)で、矢を正しくすることは神事的なことなので、「つつしむ」という意味になったとのこと。そもそも干支の字には本来「動物」の意味など無く、人々に分かりやすく広めるため動物と組み合わされたらしい(子→鼠、丑→牛、寅→虎など)。何はともあれ、「今年もたくさんいいことが あなたにあるように いつも いつも」(『A HAPPY NEW YEAR』ユーミン)。