「(妻)今日は何の日?忘れた訳じゃないよね?」「(私)言われなくても覚えているよ。」ここ数年、家でこんな会話が交わされるようになった。何のことはない、妻の誕生日と二人の結婚記念日だ。人には一年の中で「特別な日」がある。ある出来事の毎年の記念日を英語ではanniversary(アニバーサリー)という。学校にとっては、さし当たり創校記念日(南砺平高校は6月6日)といったところか。

 昨年まで、日本史の授業の始めに、「今日は何の日でしょう?」「○○年前の今日、△△で何が起きたか知っていますか?」といったやりとりをよく生徒としていた。ともすれば日々の生活に追われ、忘れてはいけない大切な出来事をつい忘れがちな私たちにとって、記念日はある意味必要かつ有り難いものである。

 ところで、ユーミンの曲にAnniversaryという歌がある。離れてしまった彼、もしかしたら死んでしまった彼(長年連れ添った夫かも)との最後(最期)の別れの日を記念日と表現した歌だ。また、同じAnniversaryというタイトルの曲だが、今井美樹は「いつもと変わらない今日だって 明日への大切なメモリー (略) 毎日がそうアニバーサリー」と歌い、記念日の捉え方はそれぞれ違う。

 いずれにしても、今日という日は二度と戻ってはこない。一日一日を大切に、悔いの無い毎日を過ごしたいものである。そして、時々立ち止まって、本当に大切なものは何か確かめることも大事なのかもしれない。